街中でよく見かけるようになったキッチンカー。
フードトラックとも呼ばれていますが、車で移動できる座席のない飲食店と考えたら分かりやすいのではないでしょうか?
営業するための荷物を車に積み込み、出店する現場に移動して営業をするというスタイルですね。
そこで今回は、キッチンカーを始めたいという方や興味がある方へ、知っておきたいメリット・デメリットについてご紹介していきたいと思います。
メリット
実店舗にはない、キッチンカーならではのメリットを活かしていくことで利益を残し、集客につなげていくことが出来るでしょう。
開業費が安い
キッチンカーの大きなメリットとして開業費が安いということが挙げられます。
営業するための最低限の設備でよく、営業許可が下りるように中古車をDIYできるなら、100万かからずに開業できるほど。
connex coffee号は制作会社に頼んで設備を整えてもらったので車両費込みで300万ほどかかりましたが、新車を購入したと考えたらそれなりかなと。
店舗を構える場合は、キッチンカーに必要な設備に加えて様々な工事・契約金・客席などが必要になるので、キッチンカーよりも高額になるのは想像できるでしょう。
固定費が安い
キッチンカーに対する固定費はかかりませんが、場所によっては駐車場代がかかります。
ただ、車なので車検や自動車税などの自動車にかかる費用は発生しますが、家賃に比べたら安いもの。
回転率が良い
実店舗の場合は、商品を提供してから食器を洗うまでが一連の流れになりますが、キッチンカーならテイクアウト容器で提供するだけなので、席数は関係ありません。
なので、例えばコーヒーショップの回転率でMAXで1日70杯だとしても、キッチンカーなら100杯以上も可能になります。
移動できる
イベントでも通常出店でも、集客が期待できそうな場所を選んで出店することが出来ます。
出店場所と商材の相性が良ければ1日で数十万稼げるほど。
逆に相性が良くないなと感じたら、移動して別の場所で出店できるのが実店舗にはない強み。
出店場所に関して言ってしまえば、車1台分くらいの場所を確保できるならどこにでも出店できます。
デメリット
メリットだけを見たら参入障壁は低いですが、長く続けていくには体力・精神力も必要。
すぐ諦めてしまわないように、デメリットも知っておきましょう。
移動する
移動できるというのはメリットでもありデメリットでもあります。
経験談なのですが、とある場所で出店していた時に当店を気にかけてくださった方が、また来たいとなった時になかなか会うことができなかったという話を聞きました。
以前は居たのに今日はいない、となってしまうので、出店場所のスケジュールはきちんと管理する必要があります。
天気
キッチンカーでの営業は天気との戦い。
夏は戸を開けて扇風機を回しても車内はサウナ状態、冬はストーブを点けても外の冷気はガンガンに入ってくるので体や手先は冷えます。
気温もさながら、風も厄介。
そよ風くらいなら心地いいですが、強風の場合は砂埃が入ってきたり、看板や飾りが飛んでいったり、車が揺れ続けたりと気が休まりません。
食材・機材の管理・仕込み
食材の管理は夏は特にシビア。
夏のキッチンカーの車内は軽く40℃は超えるので、冷やしたいものは冷えにくく、常温保存の食材でも多少のダメージは避けられません。
また、ごはん系を提供する方は特にですが、仕込み場所を別途確保しなければいけません。
家庭のキッチンで仕込むことはNG。
営業許可を取得してあるキッチンを設ける・借りるなどして仕込みを行います。
機材に関しては、当店の場合、冬は水が凍って膨張してしまうためコーヒーマシンが破損します。
なので、寒い時期は30kg以上ある高価なエスプレッソマシンをキッチンカーと家の往復を毎日しなければいけません。
この辺りはキッチンカーの設備や商材にもよるので一概には言えませんが、頭に入れておいた方がいいかもしれません。
ターゲットの選定が難しい
商品を販売していきたいターゲット層は想定していると思うのですが、キッチンカーではメインのターゲットは通行人になります。
集客力の強い出店場所であっても、客層が合っていなければ売り上げが期待できない可能性が高く、想定しているターゲット層は居ないかもしれません。
実際に出店してみないと分からないことも多く、経験を積んでいくしかありません。
注意点
キッチンカーならどこへでも行けますが、営業許可は県ごとに取得する必要があるため、1つの許可で県をまたいで営業することはできません。
例えば、長野県で飲食店の営業許可を取得したら、他県で定期的な営業をする場合は他県の営業許可を取得する必要があります。
まとめ
キッチンカーで営業することのメリット・デメリットを知っておくことは、長く続けていくために必要。
始めてみると大変なことが多いキッチンカーですが、いろいろな場所で出店してその地域の人たちと出会えるというのはやりがいを感じます。
そこで新たなつながりも出来たら、さらに楽しいですから。