雰囲気の良いカフェなどで頼んだカフェラテにハート、リーフ、クマやウサギなどのラテアートが描いてあったら嬉しくなりますよね?
フルオートで抽出するタイプのマシンでこういったアートを描くのは基本的には出来ませんが、一杯一杯人の手で淹れるエスプレッソマシンでミルクの泡立ても出来るならアートを描けます。
こういったマシンを扱っているカフェは思いのほか少ない気がします。設備投資が高くつくからあまり増えない、という理由もあると思われますが。。
そもそも、どうやってラテアートを描いているんだろう?と疑問に思っている方は少なからずいらっしゃるかと思います。
興味がどんどん湧いてきたら、描いてみたいなぁと思うようになってきたけど、原理が分からないから何をどうしたらいいのかサッパリ。。
という方のために、ラテアートの入門のハート描き方を説明していきたいと思います。
丸いハート
丸いハートについてですが、ミルクの泡(フォーム)が浮いてくる原理を理解出来たらすぐに描けるようになります。
(こういうハート)
実際、僕のラテアート体験の参加者の方で、カフェの勤務経験がなくエスプレッソマシンももちろん触ったことがなくても、イメトレと水で練習することでカフェラテ3杯目ですでにハートを描けるまでになりました。
抽出など多少のサポートはしましたが、注ぐのはご本人一人で出来ました。
「とりあえずアートを描くだけ」なら、いい状態のミルクフォームが作れたらカフェラテでなくてもココアでも抹茶でも描けます。
フォームが浮く原理
最初にフォームが浮く原理を理解しましょう。
カフェラテやカプチーノに注ぐミルクは、エスプレッソマシンのスチームノズルというパーツを使い、そこから出るスチームの力でミルクを泡立てて、泡と液体を混ぜ合わせて作ります。
そして、泡と液体が混ざった状態のミルクをエスプレッソに注ぐのですが、高い位置から注ぐと泡も液体もコーヒーと混ざるため、フォームは浮いてきません。
そこで、エスプレッソが入ったカップをこぼれる寸前まで傾けて、コーヒーに触れてしまうくらいミルクピッチャーを近づけて注ぐとフォームが浮いてきて液体は沈んでいきます。
フォームが浮く原理はこういった感じ。浮いてこない原因は、
- フォームが少ない
- 注ぐ位置が遠い
- 注ぐ勢いが弱い
のどれかになります。
描き方
フォームが浮く原理を理解出来たら丸いハートを描くのはもうすぐです。
簡単に描き方の順番を説明します。
- かさ増し
- 円を作る
- ピッチャーを横にスライドさせる
これでハートが作れます。詳しく見ていきましょう。
右利きの方は右手にミルクピッチャー、左手にカップを持って描くことを前提にお話しします。
かさ増し
注ぎ始めは、10~20cmほど高い位置からエスプレッソの中央辺りをめがけてミルクを注ぎ、ラテアートを描くためのベースとなるキャンバスを作ります。
この段階ではフォームは浮いてきません。
ここで勢いよく適当に注いでしまうと、キャンバスが崩れてグチャグチャのベースになってしまうため、コーヒーとミルクをなじませるイメージで軽く円を描きながら優しく注ぎます。
どれくらいかさを増やしたらいいのかというと。
- かさ増し量が多い⇒小さなハートやシンプルな柄
- かさ増し量が少ない⇒大きなハートや手数が多いアート
となるので、どんなアートを描きたいかによってかさ増し量の調節をします。
円を作る
次に、コーヒーとミルクピッチャーを最大限近づけて、エスプレッソの真ん中あたりをめがけてミルクを注ぎます。
先ほども説明しましたが、カップは傾ける必要があるので、コーヒーがこぼれないように傾きを直しながら、真ん中からずれないようにミルクを注ぎ続けます。
ミルクを注ぐ時間が長いとハートが大きく、短いとハートが小さくなります。
ピッチャーを横にスライドさせる
カップがいっぱいになるくらいまでミルクを注いで円が作れたら、ミルクピッチャーを上に持ち上げながらミルクを注ぐ方向に向かってスライドさせます。
こうすることでハートの尖った部分が描けます。
完成
丸いハートは描けましたか?
カップの真ん中に左右対称のハートを描くのは難しいですが、まずは円を作ってミルクピッチャーを持ち上げながらスライドさせる、という一連の流れに慣れていきましょう。
レイヤーハート
ここから一気にレベルが上がります。
レイヤーハートはフォームの白い線が何重にも重なったハートです。
- 良いエスプレッソ
- 良いフォームミルク
- 一定のリズム
- バランス
が揃わないと、本当にキレイなレイヤーハートは描けません。
ラテアートの基礎になるのでしっかりマスターしましょう。
描き方
一連の流れは丸いハートと同じ。
- かさ増し
- コーヒーの真ん中でミルクピッチャーを振りながら注ぐ
- 横にスライドさせる
レイヤーハートはラテアートに欠かせない技術である、ミルクピッチャーを振るという動作が入ってきます。
初心者の方が陥りがちなのが、ピッチャーを振ることを意識しすぎるあまり、細かく振りすぎてしまってフォームがキレイに流れないこと。
「振る」というよりは「揺らす」というイメージで、焦らずにミルクを大きく動かす意識で注ぐとすんなり描けたりします。
ポイント
初めてレイヤーハートにチャレンジするときのポイントは、何と言ってもフォームがキレイに流れる感覚をつかむこと。
それにはゆるすぎず、固すぎないフォームミルクを作る必要があります。
ラテアートが描きやすいミルクを作れたら、丸いハートを描く要領でカップにミルクピッチャーを近づけていくとフォームがスーッと流れていきます。
そのタイミングでミルクピッチャーを振り始めて、一定のリズムで振りながら注ぎ続けます。フォームが浮く前に振ってもアートは描けません。
まとめ
ラテアートのハートの描き方のイメージはつきましたか?
ラテアートは数字で表現することが非常に難しいため、何度も繰り返して感覚を養っていきましょう。
初めてフォームを浮かせることが出来たとき、スーッと流れていく感覚がなんとなく分かったときの感動は今でも忘れられません。
おうちでもラテアートを描けるような環境を作りやすくなってきているので、より多くの人が楽しめるようになったら嬉しいですね。

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