美味しいコーヒーとはどういったコーヒーでしょうか?
「コーヒー」と一口に言っても、酸味・苦み・甘み・質感など、様々な要素が組み合わさって出来上がる、複雑な味わいを感じられる飲み物です。
ちなみに僕はもともと、コーヒーは苦い、のどがイガイガする、舌はざらつく、で全く美味しさが分からなかったので、砂糖とミルクを大量に入れないと飲めませんでした。
しかし、ラテアートをきっかけにいろいろなコーヒーを飲むようになってからは、コーヒーには様々な風味があることを知り、その中で美味しいと感じるコーヒーに出会ってきました。
実は、苦手だったコーヒーが好きになった理由に焙煎度が大きく関わります。
そこで今回は、焙煎度の違いによるコーヒーの美味しさとはどのようなものなのか考えてみましょう。
焙煎度
コーヒーを焙煎する時間が長くなるほど浅煎りから深煎りへ段々と変化していくのですが、その度合いを焙煎度と言います。
分かりやすく言うときつね色に近いのが浅煎り、黒くなっているのが深煎りです。
また、「コーヒー=苦い」というのは周知の事実ではありますが、その苦みは焙煎度によって大きく変わってきます。
焙煎度による味わいの違いを理解すると、美味しいと思えるコーヒーに出会える可能性がグンと上がります。
深煎り
まずはじめに、一般的に多く流通している缶やインスタントについてですが、その類は品質が高くないコーヒー豆を深く焙煎することで欠点を隠しているそうで、あの特有の味わいになっているようです。
大量生産・大量消費用のコーヒー豆ですね。
僕はこれがダメでした。同じように感じている人は多いはず。
しかし、深煎りコーヒーの本当の美味しさとはコク・甘み・旨味が口の中で広がり、苦いだけではなくほんのり酸味も感じられます。
そして後味は自然にスッと消えていきます。
美味しい深煎りのコーヒーは、ただ深く焙煎された苦いだけのコーヒーではありません。
コーヒーは苦くて飲めなかった僕にとって、美味しい深煎りコーヒーに出会えたのはなかなかの衝撃でした。
浅煎り
最近はスペシャルティコーヒーが全国的に広まりつつあり、浅煎りのコーヒーもよく見かけるようになりました。
浅煎りの特徴は何と言っても爽やかさや華やかさ。特にゲイシャ種などはコーヒーというよりもはや紅茶に近い味わいがします。
コーヒーの苦みが苦手という方が浅煎りのコーヒーを試してみると、その違いに驚くと思います。
中には酸味が苦手という方もいらっしゃるかと思いますが、豆の芯まで火が通っていない生焼けの状態だったり、古くなって酸化してしまった酸っぱいコーヒーに出会ってしまった可能性があります。
美味しい浅煎りのコーヒーはフルーツや紅茶のような心地よい酸味が感じられるコーヒーです。
中煎り
中煎りは苦味と酸味のバランスの取れたコーヒーで、深煎りと浅煎りの中間というだけあって飲みやすいです。
缶やインスタントが日常的な方にとって、スペシャルティなどの品質の良いコーヒーに興味を持ち始めたばかりの時はとっつきやすい焙煎度ですね。
急に浅煎りを試すと酸っぱく感じるかもしれませんから。
中煎りのコーヒーをベースにいろいろなコーヒーを試してみると、もう少し焙煎が深い方が好みなのか浅い方が好みなのか、イメージしやすいです。
美味しいコーヒーとは?
結局のところ、美味しいコーヒーとは何なのか?
僕の考えでは、美味しいコーヒーとはその人の嗜好に合う、美味しいと感じることができるコーヒーだと考えています。
というのも、苦味が強いコーヒーが好きな人に有名なバリスタさんが丁寧に淹れた浅煎りのスペシャルティコーヒーを美味しいと言ってもらえるのか?
美味しいと言ってもらえるかもしれませんが、酸味があるコーヒーはやっぱり自分には合わないな、苦味がもっとある方がいいな、となるかもしれません。
こんなことを言ってしまえば元も子もありませんが、要は好みです。
提供する側は美味しいコーヒーについて追求しますが、判断は飲み手になります。
正しく焙煎・抽出されたコーヒーは良いコーヒーであり美味しいコーヒーでもありますが、正しく焙煎・抽出されていないコーヒーは良くないコーヒーであり美味しいコーヒーとは限らない
と、自家焙煎珈琲屋バッハの田口さんの著書にもあります。
ちなみに、僕が美味しい!と驚いたコーヒーは、東京に居たときにフラっと入ったカフェのドミニカのコーヒーでした。
確か、東京の清澄白河にあるARiSE COFFEE ROASTERSさんが焙煎したコーヒーを使っていたと思います。
ブルーベリーやストロベリーを思わせる風味で、果実感たっぷりのコーヒーに感動したのを覚えています。
美味しいコーヒーにはいつ、どこで出会えるか分からないものです。
最後に
美味しいと思えるコーヒーは人それぞれ。
コンビニコーヒーが美味しいという人もいれば、スペシャルティが美味しいという人もいます。
ですが、固定概念に囚われずにいろいろなコーヒーショップの深煎りから浅煎りまでの多種多様なコーヒーを知ることで、本当に美味しいと思えるコーヒーに出会えます。
コーヒーの違いを感じ、コーヒーの面白さや魅力をより知ってもらえたらと思います。