コーヒーは、コーヒーチェリーと呼ばれる果実の中にある種子(生豆)を取り出して焙煎されます。
ということは、果物や野菜のように傷んだり虫に食べられてしまうこともあるのですが、そういったコーヒー豆は欠点豆と呼ばれていています。
そして、欠点豆はコーヒーの味わいに悪い影響を与えてしまうので、欠点豆を取り除くハンドピックという作業が必要になります。
コーヒー豆を焙煎する上でハンドピックは欠かせない作業なのですが、実際に生豆にはどれくらいの割合で欠点豆が含まれているのか調べてみました。
欠点豆の割合
ハンドピックで欠点豆を取り除くわけですが、グレードの高いコーヒーには生豆のうちの10%未満の欠点豆が含まれていると言われています。
ブラジルなど、欠点豆の割合で等級が分けられている生産国もあります。
また、生産国や精製処理方法によってその割合は変わってくるので一概には言えませんが、今のところgreen coffee storeやワイルドコーヒーから仕入れた生豆には10%に満たないくらいしか欠点豆が混ざっていませんでした。
数字的に見ていくとするなら、1㎏あたりの生豆の中に100g未満。
100gずつハンドピックするのであれば欠点豆は10g未満なので、コーヒー豆2粒で1gとしたら大体20個取り除けばいいということですね。
今回のハンドピックでは、コーヒーの仕上がりの味わいに直接悪影響を与えないような生豆(ピーベリー、欠け豆など)も取り除いているので、混入させてはいけないような欠点豆(虫食い、カビなど)は数%ほどでした。
しかし、中には30~40%の欠点豆が混入しているコーヒーもあるそうです。
先日、ネットで生豆を探していたらケニアのAAが驚くほど安く販売されていたので、試しに購入してみました。
ぱっと見でも欠点豆が多数見られ、恐る恐るハンドピックをしてみました。
結果は360g中100g、つまり27%なので1㎏では270g。
これくらいの欠点豆の量になってくると、まだ欠点豆があるんじゃないか?と不安になるので、なかなかにハンドピックに時間がかかってしまいます。
コストパフォーマンス
欠点豆が含まれている割合が多いとしても、格安というのは金銭面だけ考えたらありがたい話。
ではコストパフォーマンスの視点から、計算して比較してみます。
例えば分かりやすく、1㎏で2,000円の生豆(A)と1,500円の生豆(B)があり、Aには欠点豆が10%、Bには欠点豆が30%含まれているとします。
- A:欠点豆は100gなので使用できる生豆は900g。実質900gで2,000円なので100gあたり約222円。
- B:欠点豆は300gなので使用できる生豆は700g。実質700gで1,500円なので100gあたり約214円。
となるので1㎏あたりは約80円の差。
こう考えてみると、値段が安くてもハンドピックの手間や精神的なストレスになるとしたら、少し値段が高くても欠点豆の割合が少ない方が健全かなと感じます。
ただここで注意しないといけないのが、欠点豆が多いコーヒー≠悪いコーヒーということ。
生産国や精製処理によって欠点豆の割合は変わりますし、そのコーヒーにしか出せない独特の風味を持っている生豆もあるからです。
インスタントや缶コーヒーは欠点豆もまとめて深煎りにされているような話も聞くので、値段が安いというのはうなずけますね。
まとめ
美味しいコーヒーを楽しむために、焙煎の前後で行うハンドピックはとても重要な作業です。
しかし、欠点豆の割合が多いと時間もかかり、より集中するため心身共に堪えるので、ハンドピックが雑になってしまう可能性も否定できません。
欠点豆の混入の可能性を低くするためにも、出来るだけ欠点豆が少なく、自分が求める良いコーヒーに出会いたいですね。