コーヒーをハンドドリップで淹れるときに、ドリッパーにフィルターペーパーをセットする方は多いかと思います。
ペーパードリップとも言われる抽出方法ですね。
コーヒーショップや動画などで、ドリッパーにコーヒー粉を入れる前にペーパーを濡らしているのを見たことはありませんか?
あの工程はペーパーリンス(湯通し)といって、紙臭さを軽減させるために行っていると言われています。
実際のところペーパーリンスは必要なのか、味わいにどう影響を与えるのか考察してみましょう。
ペーパーリンスの必要性
ペーパーリンスを行うことによって、紙臭さを軽減させる効果があると耳にすることも多いかと思います。
が、他にも3つの効果があると考えられ、最後が一番納得のいくものでした。
- 紙臭さの低減
- ドリッパーの保温
- 成分を逃がさない
- ドリッパーの構造を活かす
それぞれ見ていきましょう。
紙臭さの低減
正直、いまいち分かりません。
技術の進歩でペーパーの紙臭さがなくなってきているというのもあるでしょう。
コーヒー粉を入れずにドリッパーにペーパーをセットして湯通ししただけのお湯と、ただのお湯を比べてもそんなに違いを感じません。
とあるコーヒー論文でも、紙臭さがコーヒーの味わいに影響を与えているとは考えにくいという意見もあるほど。
そういうこともあり、最初は紙臭さを低減させるためだけにリンスするのは面倒だと思っていたので、リンスしていませんでした。
勉強し直したところ、他の効果の方が大きいと実感したので今はリンスしています。
ドリッパーの保温
分かりやすい例でいうと、陶器・ガラスなどの熱伝導の高い(冷めやすく熱しやすい)素材のドリッパーを使って寒い場所で抽出したらどうなるでしょう?
外気温が低いとドリッパー自体も冷たくなっているわけで、暖かい時よりもドリッパー内の温度が下がりやすくなり(特に前半)、抽出効率が落ちてしまいます。
そんな時にペーパーリンスでドリッパーの温度を上げることで、抽出効率が落ちるのを防いでくれます。
リンスした後にすぐ抽出しないと、ドリッパーの温度がまた下がるので意味ないですけどね。
ドリッパーの保温に関しては、熱伝導の低いプラスチック・セラミック素材や二重構造のドリッパーを使用するのも一つの手。
成分を逃がさない
ペーパーリンスあり・なしの抽出直後のペーパーの様子を見ると分かりやすいです。
リンスありではペーパーの上部は白いままですが、なしでは上部も茶色くなっています。
理科の実験などでペーパークロマトグラフィーって言葉が出てきたことありませんか?
紙と水を使って色素を分ける実験方法。例えば、紙の先端にコーヒー液を浸すと毛細血管現象が起こり、水に溶けやすく紙に吸着しやすい成分がどんどん移動し、そうでない成分はあまり移動しないというもの。
あの現象が起きていると考えられます。
茶色くなっているのはコーヒーの成分がペーパーの上部にしみ込んでいる、逆に言うとリンスしてペーパーの上部が白い方がコーヒー液に成分がより移動していると考えられます。
味わいに大きな変化があるのか特定するのは難しいですが、次に挙げる効果との相乗効果が見込めるかなと思います。
ドリッパーの構造を活かす
ドリッパーにペーパーをセットするときに、乾いたままだとドリッパーの内側にうまくフィットできませんよね。
あれが意外ともどかしい。
コーヒー粉を入れてペーパーをしっかり押さえてゆさゆさ揺らして、やっとそれなりにドリッパーに沿わせることができます。
そこで、コーヒー粉を入れる前にペーパーを抑えてリンスすることで、ピタッとドリッパーの内側に張り付きます。
そもそも、ドリッパーのリブ(内側の凹凸)を活かすためには、ペーパーはくっついていないといけません。
ドリッパーとペーパーの間に隙間があったらリブの意味がありませんから。
あとは乾いたままの状態よりも抽出時のペーパーの形状が安定しやすいので、抽出のブレも減らせることが可能になります。
まとめ
ペーパーリンスが味わいの向上・安定につながるというのはお分かりいただけたかと思います。
ちなみに、リンスをスムーズに行うためのツールもあるので検討してみてください。
ドリッパーの形状なども考慮する必要があるのでリンスが絶対というわけでもないですが、紙臭さを軽減するためだけではないことを知ると、リンスすることをおすすめします。


